コラム

本日は東洋医学の思想の一つである「五行論（ごぎょうろん）」のお話です。お灸教室は、肩こり、腰痛、冷え症、更年期障害、不妊といった具体的な症状をテーマとしますが、このコラムでは症状を問わず使えるツボのお話をします。お灸教室に参加する前や後に読んでください。

＜五行論＞

 

五行論は、万物は「木・火・土・金・水（もく・か・ど・ごん・すい）」の5つの要素から成り立っているという考え方です。

 

陰陽論とともに、東洋医学の基本思想の一つで、季節の移り変わりや自然現象、人間の体の変化を観察してつくられたものです。

 

 

五行論には、どの季節にはどのような食品を食べたらよいか、どのような養生が必要か、体のどの部分に気を付けたらよいか、などのヒントがたくさんつまっています。

 

五行の一つ一つには基本的な性質があります。

 

 

＜木（もく）＞

　☑木は樹木が上に伸びていくように、伸びやかな性質

　☑植物が目を出して成長する様子を現す

　☑万物が生じる春を象徴

 

＜火（か）＞

　☑火のように熱を持つ性質

　☑火が燃え上がるような様子

　☑万物が成長する夏を象徴

 

＜土（ど）＞

　☑大地のように万物を育てる

　☑季節の変わり目を現す

　☑万物を守る

 

＜金（ごん）＞

　☑金属のように固い性質

　☑鋭く光り輝く

　☑収穫を示す

 

＜水（すい）＞

　☑湧き出す水の様子

　☑万物を生む

　☑万物をはぐくむ

 

＜五行色体表＞

五行論では、万物は5つの要素から成り立つとお話しました。

五行色体表は、「木・火・土・金・水」に対応する、人間の体や自然界のものを表に現したものです。

 

表を見てください。

春は「木」の特徴を持つ季節です。実際に枯れていた木が葉をつけて生き生きとしてくる季節ですね。

また、五悪をみると「風」と書いてあります。春は風の影響を受けると考えてください。実際に春一番に象徴されるように、春は風が強く吹きます。だんだんと暖かくなる季節ですが、風が吹くと寒いと感じることもあり注意が必要です。

 

 

味はどうでしょう？「酸」と書いてありますね。春は酸っぱい物を食べるとよいということです。柑橘類、イチゴ、トマトなどが旬を迎える季節です。旬の食べ物を食べると良いですね。

 

 

 

春に旬を迎える、ホタルイカは酢味噌、アジはマリネ、春野菜はピクルスなど、甘酸っぱい味が合うのは美味しい上に、理にかなった食べ方です。

 

身体に関しては、目、筋肉、肝臓に注意が必要な季節です。

 

このように、五行色体表には健康に過ごすヒントがつまっています。皆さんも活用してください。