コラム

稲穂もいよいよ金色に色づき、頭をもたげ始めました。台風に負けないでほしいですね。皆さんも季節の変化に影響されないように、お灸でするフケアをしましょう。

 

＜白露＞

 

9月8日から22日は、二十四節気で「白露（はくろ）」です。「陰気やうやく重りて、露濁りて白色となればな也（暦便覧）」とあり、秋が深まり、木の葉に露がみられる頃という意味です。

 

東洋医学の重要な考え方の一つに陰陽論があります。万物は「陰」と「陽」の性格を持ち、互いに影響しあってバランスをとっているという考え方です。

 

「陰」も「陽」も絶対的なものではなく、どちらも増えたり減ったり常に変化しています。

 

季節で言うと、冬至に「陰」が極まり、夏至に「陽」が極まります。白露は秋分の前の節季なので、「陰」が増えていく頃です。

 

 

 

陰は「重い」とか「冷たい」とか「暗い」とか「動きが鈍い」などの性格があります。

「陰気重りて」というのは、重い陰気が地上付近に降りてくる様子を表しています。

 

また、露は空気中の水蒸気が、冷たい空気に冷やされて水滴になったものです。朝晩が、冷えてくる季節であることが表現されていますね。

 

 

 

ではなぜ白露なのでしょう。白秋というように、五行論の五色では秋は「白」に該当します。

 

従って秋の露を白露と言います。これもこの季節を表現するのにピッタリな言葉ですね。

 

※陰陽論については、6月26日のコラムを参考にしてください。

 

＜白露にオススメのツボ　＞

 

下記の五行色体表にあるように、秋は空気の乾燥が人の体にも影響を与える季節です。

色体表の「五悪」というのは、自然の気「風、暑、湿、燥、寒」が過剰になると、人の体に悪い影響を与える気になる。ということを示しています。

 

秋の気は乾燥して爽やかですが、乾燥しすぎると私たちの健体に、様々な悪い影響を与えるという意味です。

 

影響を受けやすいのは五臓の「肺」と五華の「皮毛（ひもう）」です。

 

 

皮毛は皮膚の表面です。肺は肺そのものだけでなく、呼吸器系全体のことです。従って皮膚と呼吸器の健康に気を付ける必要がある季節です。

 

肺をはじめ呼吸器系は、空気の乾燥が苦手です。喘息や秋の花粉症で咳が出やすいのは、空気の乾燥も原因の一つです。

 

白露には尺沢（しゃくたく）がオススメのツボです。

 

〇咳が出る

〇鼻水が出る

〇息切れがする　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

 

〇肌が乾燥する

〇喉が痛い

などの症状が気になる方に特におすすめです。

 

尺沢は肘の近くにあるツボで、呼吸器の不調に適したツボです。

 

 

手のひらを上にして手を伸ばす。肘のしわの上で、肘を曲げたときに浮き出る腱の親指側のくぼみにあるのが尺沢です。

お子さんの場合は、手のひらや柔らかい布で、尺沢から手首までを優しく擦ってもよいです。