コラム

梅雨入りして湿度がグンと上がり、関節の痛みや頭痛でお悩みの方も多いと思います。お灸は体にたまった「湿」をとる作用があります。

この季節にはピッタリな養生方法です。ぜひお試しください。

 

＜ツボの見つけ方＞

 

前回のコラムでは、自分の指の巾を使ったツボの見つけ方を紹介しましたが、実際に見つけてみましたか？

復習してみましょう。

 

 

 

指1本分というのは「親指の巾」

2本分は「人差し指と中指の2本を並べた巾」

3本分は「人差し指、中指、薬指の3本を並べた巾」

4本分は「人差し指、中指、薬指小指の4本を並べた巾」です。ツボの位置は人によって違うので、ご自分の指の巾で探すのが良い方法です。

 

では、この方法で「手三里」というツボを探してみましょう。

 

＜手三里をさがしてみましょう＞

 

手三里は「手の陽明大腸経（てのようめい　だいちょうけい）」という経絡にあるツボです。

この経絡は「多気多血（たき　たけつ）」と言って、気血が豊富な経絡です。ジメジメして疲れが出やすい季節に向いているツボです。

 

したがって次のような時に使われる経絡です。

〇免疫力アップしたい時

〇疲労回復したい時

〇食欲不振の時

〇体が重だるい時

 

 

新型コロナウィルスが流行している現在は、疲労をためずに免疫力をつけておくことが大切です。また、ムシムシした暑い日が続くと食欲不振にもなりがちです。こんな時こそ、この経絡を刺激するのがよいと思います。

 

手三里は腕にあるツボです。手三里をさがすにはまず「合谷と曲池（きょくち）」というツボを探します。

 

親指と人差し指の骨を手首の方にたどって、骨がぶつかるところが合谷です（赤い〇の位置）。肘の骨の内側にあるのが曲池です（青い〇の位置）

 

 

 

 

手三里は、合谷と曲池を結んだ線上（赤い線）で、曲池から指3本分下がったところにあります。写真は左腕ですが、右腕でも探してみましょう。

 

指で少し強く抑えると重い痛みが感じられると思います。

 

陽明大腸経は「大腸経」という言葉があるように「下痢、便秘など腸の不調」の治療にも用いられます。

 

また肌荒れや肩こりの治療でも使います。湿度が高い時はお肌のトラブルに悩む方も多いと思います。手三里はお肌のトラブルにもオススメです。

 

 

また、意外ですが手三里は歯の痛みにも使われます。歯の痛みの治療に、この経絡上にある「合谷」や「手三里」を使われる歯科医の先生もいらっしゃるようですよ。

 

手の陽明大腸経はよく使われるツボが沢山あります。皆さんも手三里のお灸で梅雨を乗り越えましょう！